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住宅ローンの金利が上がる今、住まい探しをどう考えるか

マイホームの購入時期を考える際には、住宅ローンの金利動向も踏まえて判断することが重要です。日銀は2026年6月の金融政策決定会合で、政策金利を0.75%から1.0%へと引き上げました。この水準は1995年以来、31年ぶりの高さです。市場では、今後さらに利上げが進むのではないかという見方も出ています。あくまで先行きの予想であって確定した話ではありませんが、こうした情報が流れるたびに、「マイホームは今買うべきか、それとも金利が落ち着くまで待つべきか」と迷う声が増えているのを感じます。

たとえば、これから物件探しを始めようとしていた30代の共働き夫婦が、ニュースで利上げの報道を見て一旦検討を止めてしまう、というのは決して珍しい話ではありません。半年前まで「そろそろ動き出そうか」と話していた計画が、金利のニュースをきっかけに「もう少し様子を見よう」に変わってしまう。その一方で、様子を見ている間に希望していた物件が別の買い手に決まってしまった、という声も聞かれます。長らく低金利が当たり前だった時期に住宅購入を考え始めた方にとって、金利が上がっていく局面での判断は、初めての経験という方も多いはずです。この記事では、どちらか一方の結論を押し付けるのではなく、今の金利環境を踏まえたうえで、購入のタイミングを考えるときに押さえておきたい判断材料を整理していきます。

金利が上がると住宅ローンにどう影響するか

住宅ローンには大きく分けて変動金利型と固定金利型があり、金利上昇の影響を受ける経路がそれぞれ異なります。まずはこの違いを整理しておきます。

変動金利への影響

変動金利型のローンは、日銀の政策金利の動きに連動しやすい性質を持っています。政策金利が引き上げられれば、銀行の資金調達コストが上がり、それが変動金利の水準にも波及していく、という流れです。変動金利は借入時点で将来までの金利が固定されているわけではなく、契約後も一定の周期で金利水準が見直される仕組みになっているため、政策金利の上昇局面が続けば、借入後の返済額にもその影響が及びやすくなります。借入当初は月々の返済額に余裕があっても、金利水準の見直しが重なるうちに、想定していたより負担が重くなっていくという可能性は理解しておく必要があります。借入時の金利が低いという理由だけで変動金利を選ぶ場合は、この先の金利動向によって返済負担が変わり得るという前提を、あらかじめ織り込んでおく必要があります。

固定金利への影響

一方、固定金利型のローンは、政策金利そのものよりも、長期金利の動きの影響を受けやすいという特徴があります。日本国債10年物の利回りは、2026年に入って2.7〜2.8%程度まで上昇しており、これが固定金利型の住宅ローンにも波及しやすい環境になっています。固定金利は借入時に返済額が確定するため、将来の金利変動リスクを避けられるという安心感がある一方、足元で長期金利が上昇していれば、借入時点で適用される金利水準そのものが以前より高くなっている可能性がある、という点は押さえておく必要があります。「固定金利なら金利上昇の影響を受けない」というのは、あくまで借入後の話であって、借入そのもののハードルは長期金利の水準に左右される、という順序を整理しておくと分かりやすくなります。変動か固定かは、どちらか一方が常に有利というものではなく、毎月の返済額をどこまで一定にしたいか、将来の金利変動をどこまで受け入れられるかという、家計ごとの考え方によって向き不向きが分かれるものだと考えたほうがよさそうです。

「待てば金利が下がる」とは限らない理由

金利が上がっている局面では、「今は様子見をして、金利が下がってから買おう」という考え方も自然に出てきます。ただ、この考え方には注意が必要な点があります。金利は一方向にだけ動き続けるものではなく、景気の循環に応じて上がったり下がったりするものです。今回のように政策金利が引き上げられている局面があれば、将来的に景気の状況が変われば、金利が下がる局面が来ることも当然あり得ます。しかし、それがいつ、どの程度の水準まで起きるのかを、今の時点で正確に見通すことは誰にもできません。市場ではさらなる利上げの観測も出ている中、「待てば必ず金利が下がる」という前提で計画を立てること自体に、リスクが伴います。過去を振り返っても、金利が長期間にわたって上昇局面のまま推移した時期がなかったわけではなく、「あと少し待てば下がるはず」という見通しが外れ続けてしまう可能性は、誰にとってもゼロではありません。

さらに、待っている間にも別の変化は起き続けます。金利以外の要因で物件価格が動くこともありますし、賃貸で暮らしながら待つのであれば、その間の家賃負担も発生し続けます。子どもの成長や転勤のタイミングなど、自分側の事情が先に動いてしまうこともあります。「金利が下がるのを待つ」という選択は、一見リスクを避けているように見えて、実は「いつ来るか分からないタイミングを、明確な終わりが見えないまま待ち続ける」という別のリスクを抱えることでもあります。金利の動きだけを理由に購入時期を先延ばしにする場合は、その間に発生し続けるコストや、自分の状況の変化についても、あわせて考えておく必要があります。

買うタイミングを考えるときの3つの視点

金利の動向だけで判断を決め切れない以上、購入のタイミングは、金利以外の視点も含めて総合的に考える必要があります。ここでは特に重要な3つの視点を整理します。

返済能力

まず基本になるのが、今の収入と、この先の収入見通しに対して、無理のない返済計画を組めるかどうかです。変動金利を選ぶ場合は、将来的に金利が上昇した場合の返済額の変化を見込んだうえで、それでも家計が回るかどうかを確認しておく必要があります。固定金利を選ぶ場合でも、借入額に対して返済負担が重すぎないか、教育費や老後の備えなど、住宅ローン以外に必要になる支出とのバランスも含めて検討しておくことが大切です。共働き世帯であれば、どちらか一方の収入が仮に減った場合でも返済を続けられるかどうかまで含めて考えておくと、後になって慌てずに済みます。金利が今後どう動くかにかかわらず、無理のない返済計画を組めているかどうかは、購入時期を問わず判断の土台になります。

物件価格の動向

住宅購入における負担は、金利だけで決まるものではありません。物件そのものの価格が、地域や物件種別によってどう動いているかも、あわせて見ておく必要があります。金利が上昇していても物件価格が下がっていれば、トータルの負担は変わらない、あるいは軽くなることもありますし、逆に金利が落ち着いていても物件価格が上昇していれば、待った分だけ負担が増えることもあります。「金利が下がるまで待つ」という判断が、必ずしも「総支払額を抑える」判断と一致するとは限らない、という点は見落とされがちです。金利の動きだけに目を向けるのではなく、購入を検討しているエリアや物件タイプの価格動向も、あわせて確認しておくことが判断の助けになります。

ライフプラン

金利や価格といった市場側の要因だけでなく、自分自身の暮らしの変化も、購入タイミングを考えるうえで欠かせない視点です。結婚や出産、子どもの進学、転勤の可能性、親との同居や介護の見通しなど、ライフプランの変化は、住まいに求める広さや立地の条件を大きく左右します。たとえば、子どもの就学のタイミングに合わせて住む場所を決めたいと考えている家庭であれば、金利がもう少し下がるまで待つという選択が、結果的に希望していた学区や時期を逃すことにつながる場合もあります。今の金利水準がどうであっても、数年後に住み替えが必要になることが分かっているのであれば、購入のタイミングや物件選びの考え方自体が変わってきます。金利の動向はあくまで判断材料の一つであり、自分や家族の暮らしの見通しと切り離さずに考えることが大切です。

迷ったときに相談すべき相手

ここまで整理してきたように、マイホームの購入タイミングは、金利、物件価格、そして自分自身のライフプランが絡み合って決まるものであり、一人で全てを見通すのは簡単ではありません。迷ったときは、一つの窓口だけで判断せず、複数の相手に相談してみることをおすすめします。不動産会社に相談すれば、検討しているエリアの価格動向や物件ごとの特徴、今後の供給見通しについて具体的な話が聞けますし、金融機関に相談すれば、今の収入や資産状況を踏まえた借入可能額や、変動・固定それぞれのローン商品の考え方について説明を受けられます。会社によって得意なエリアや物件の種類、案内できる情報の幅は異なりますので、同じ状況であっても、相談する相手によって見えてくる情報や視点は変わってきます。一社だけの話で決めてしまわず、複数の窓口を比較しながら検討を進めることが、後になって「もっと早く聞いておけばよかった」という後悔を減らし、納得感のある判断につながります。

まとめ

金利が上昇している局面では、「今買うべきか、待つべきか」という問いに、明確な正解はありません。金利だけを見れば「今のうちに」という考え方もできますし、「もう少し様子を見たい」という判断も、それぞれの事情次第では十分に合理的です。大切なのは、金利の動きに一喜一憂して決めるのではなく、返済能力、物件価格の動向、そして自分自身のライフプランという複数の視点から、総合的に判断することだと言えます。金利のニュースが目に入るたびに気持ちが揺れてしまうのは自然なことですが、判断材料を一つひとつ整理していけば、少なくとも「何となく不安だから」という理由だけで決断を先送りにする状態は避けられるはずです。

マイホームの購入タイミングについて、もう少し具体的に相談してみたいという方は、お気軽にお問い合わせください。

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