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東京23区の家賃、14期連続で最高値更新

これから賃貸物件を探す方にとっては、家賃相場の動きを踏まえて物件探しの計画を立てることが重要です。アットホームと三井住友トラスト基礎研究所の共同調査によると、2026年第1四半期の東京23区の家賃(マンション賃料インデックス、連鎖型・総合)は前年同期比+6.7%、前期比+2.7%となり、14四半期連続で過去最高を更新しました。「更新し続けている」という状態がここ数年ずっと続いている点に、この数字の重みがあります。数年前に部屋を借りた経験がある方が改めて物件を探すと、「以前よりも同じような条件の物件が高くなっている」と感じることが多いのではないでしょうか。その感覚は、決して気のせいではなく、データにもはっきり表れています。単身向けのワンルームであっても、ファミリー向けの2LDK以上であっても、程度の差はあれ同じ上昇基調の中にある点は共通しており、間取りやライフステージを問わず、今から部屋を探す方全体に関わってくるテーマです。今回は、この家賃上昇の実態と背景、そしてこれから物件を探す方が押さえておきたい視点を整理します。

東京23区の家賃はどれくらい上がっているか

まずは、実際にどの程度のペースで家賃が上がっているのか、数字から確認しておきます。

直近の上昇率

2026年第1四半期の東京23区の家賃は、前年同期比で+6.7%、直前の四半期からは+2.7%の上昇となりました。タイプ別に見ると、前年同期比でシングルタイプ+8.1%、コンパクトタイプ+5.6%、ファミリータイプ+12.3%と、単身向けからファミリー向けまで全タイプで上昇が続いています。前年同期比で6%を超える伸びは、家賃という比較的動きの緩やかな指標としては小さくない変化です。単純計算にはなりますが、仮に1年前に月8万円で借りられた条件の物件であれば、同じ条件の物件は今、月5千円前後高くなっている可能性があるということになります。1件だけを見れば誤差の範囲に思えるかもしれませんが、23区全体の平均としてこの水準の上昇が起きている点は、物件探しの計画を立てるうえで無視できない材料です。

14四半期連続の上昇という継続性の意味

今回の結果で特に注目したいのは、上昇率の大きさそのものよりも、「14四半期連続で過去最高を更新している」という継続性です。四半期は3か月単位ですので、14四半期といえばおよそ3年半にわたって、一度も下落することなく最高値を更新し続けてきたことになります。一時的な統計の跳ねではなく、数年単位で同じ方向の動きが続いているという点は、東京23区の賃貸マーケット全体の底堅さを示していると考えられます。なお、大阪市でも前年同期比+1.4%と上昇基調が続いており、家賃の上昇は東京23区に限った動きではなく、大都市圏に一定程度共通して見られる傾向であることもあわせて押さえておきたいところです。

なぜ家賃は上がり続けているのか

これだけ長期にわたって家賃の上昇が続いている背景には、需要側・供給側それぞれの要因が重なっていると考えられます。

需要側の要因

需要側では、都心・準都心エリアへの居住ニーズが根強く続いていることが挙げられます。通勤や生活の利便性を重視して都心寄りのエリアに住まいを求める動きは、テレワークの普及が一巡し、出社を伴う働き方へ揺り戻す動きが出てきたとされる時期を経てもなお、一定の強さを保っているとみられます。あわせて、単身世帯や共働き世帯の増加といった世帯構成の変化も、コンパクトで利便性の高い賃貸物件への需要を下支えしている要因として一般的に指摘されています。世帯人数が少なくなるほど、部屋数よりも立地や設備の充実度を優先して物件を選ぶ傾向が強まりやすく、こうした需要が特定のエリア・タイプの物件に集中しやすいことが、家賃の押し上げ圧力につながっていると考えられます。

供給側の要因

供給側では、建築コストの上昇が大きな要因です。資材価格や人件費の上昇により新築物件の建築コストが高止まりしている状況が続いており、新しく供給される賃貸物件は、その分家賃を高めに設定せざるを得ない傾向があります。新築物件の家賃水準が上がれば、貸主・仲介会社の相場観そのものが引き上げられ、周辺の既存物件の家賃も追随しやすくなります。加えて、老朽化した物件が建て替えや再開発によって市場から一時的に姿を消し、比較的家賃が抑えられていた層の選択肢が細っていくという側面もあります。既存物件のオーナー側から見ても、修繕費や管理コストが上昇している以上、周辺の新築相場が上がれば、既存物件の家賃も据え置きにくくなるという事情があります。需要が旺盛な一方で、コストの高い新築物件しか十分に供給できない状態が続けば、賃貸市場全体の家賃水準が押し上げられていくのは自然な流れといえます。

エリア・物件による差にも注目したい

家賃上昇のニュースを見ると「どこも一様に高くなっている」と受け取ってしまいがちですが、実際にはエリアや物件による差が広がっている傾向があります。

人気エリアと落ち着いているエリアの違い

賃貸市場全体としては上昇基調にあるものの、その中身を見ると、駅からの近さや生活利便性、再開発の有無などによって人気が集中しやすいエリアと、そうでないエリアとの間で家賃の伸び方に差が出やすくなっています。全体の平均値だけを見ていると、こうした「二極化」の実態は見えにくく、自分が探しているエリアの体感とニュースで見る数字にズレを感じることも珍しくありません。同じ23区内でも、話題になりやすい人気路線・人気駅と、比較的落ち着いたエリアとでは、上昇のペースにかなりの差が出ていると考えたほうが実態に近いといえます。

物件選びで「二極化」を意識するとどう動けるか

こうした傾向を踏まえると、家賃の上昇局面であっても、探し方次第で選択肢は変わってきます。人気の集中しやすいエリア・条件にこだわりすぎると、家賃の上昇ペースをそのまま受け止めることになりやすい一方、隣接エリアや駅からの距離、築年数などの条件を少し広げてみることで、上昇の影響を受けにくい物件に出会える可能性もあります。最寄り駅からのアクセスを1駅ずらす、あるいは徒歩の分数を数分だけ許容範囲に加える、といった小さな調整だけでも、選べる物件の幅と家賃水準は変わってきます。エリア全体の相場だけでなく、個々の物件がどちらの傾向に近いのかを意識しながら探すことが、これからの物件探しでは特に大切になってきます。

これから賃貸物件を探す人が意識しておきたいこと

最後に、家賃上昇が続く局面で物件を探す際に意識しておきたい2つの視点を挙げます。

早めの情報収集の重要性

家賃が右肩上がりで推移している以上、「もう少し様子を見てから」という判断が、結果的に家賃負担を重くしてしまう可能性があります。特に人気エリアの好条件な物件は、掲載されてから短期間で成約に至ることも多く、迷っている間に候補が減っていくということも起こり得ます。引っ越しの予定が具体的に決まっていない段階でも、早めに希望エリアの相場感をつかんでおき、条件に近い物件が出たタイミングですぐ動けるよう準備しておくことが、結果的に納得感のある物件探しにつながります。相場を知らないまま探し始めると、良い条件の物件を見ても「これが相場並みなのか、割高なのか」を判断できず、決断が遅れがちになる点にも注意が必要です。

家賃だけでなく初期費用・更新料等トータルで考える視点

物件を比較する際、月々の家賃の高低だけに目が向きがちですが、実際にかかる費用は家賃だけではありません。敷金・礼金・仲介手数料・保証会社の利用料といった初期費用や、契約から一定期間ごとに発生する更新料まで含めたトータルの負担で比較することが大切です。家賃がわずかに高くても初期費用や更新料の条件が有利な物件もあれば、逆に家賃は安く見えても諸費用を含めると総額では差が縮まる物件もあります。特に、複数年住むことを前提にするのであれば、更新料の有無や金額は数年単位で見たときの総支払額に大きく影響します。フリーレント(一定期間の家賃が無料になる特典)がついている物件であれば、初月の負担が軽くなる分、短期間で見たときの実質的な家賃水準が変わってくることもあります。目先の家賃の数字だけで判断せず、契約期間全体でかかる費用を見積もったうえで比較することをおすすめします。

まとめ

東京23区の家賃は、2026年第1四半期時点で前年同期比+6.7%、14四半期連続の過去最高更新と、数年単位で上昇が続いている状況にあります。背景には都心回帰や世帯構成の変化といった需要側の要因と、建築コスト上昇による供給側の要因が重なっており、この傾向がすぐに変わる兆しは今のところ見えていません。一方で、上昇のペースはエリアや物件によって差があり、探し方次第で選択肢が変わってくるのも事実です。「23区全体が高くなっているから仕方がない」と条件を絞らずに諦めてしまうのではなく、エリアや駅からの距離といった条件を少し広げながら、自分にとって無理のない選択肢を探っていく姿勢が、これからの物件探しでは特に求められます。家賃相場の動きを把握したうえで、早めに情報収集を始め、家賃以外の費用も含めたトータルで物件を比較する視点を持っておくことが、これからの賃貸物件探しでは重要になりそうです。

物件探しについて具体的に相談してみたいという方は、お気軽にお問い合わせください。

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