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家賃滞納を防ぐ入居審査のコツ|オーナーが確認する項目と、保証会社・連帯保証人の使い分け

家賃滞納を防ぐ入居審査のコツ|オーナーが確認する項目と、保証会社・連帯保証人の使い分け

家賃滞納への対策は、滞納が起きてからの督促より、入居を決める前の審査のほうが効きます。一度契約すると、借主は借地借家法で保護されるため、滞納があってもすぐには契約を解除できないからです。

ここでは、賃貸オーナーが入居審査で確認する項目、審査の基準を緩めるときの手当て、滞納が起きたときの初動を、順に整理します。


目次

  1. なぜ審査で防ぐのか
  2. 入居審査で確認する5つの項目
  3. 保証会社と連帯保証人の使い分け
  4. 基準を緩めるなら、保証を厚くする
  5. 審査でしてはいけないこと
  6. 滞納が起きたときの初動
  7. 管理会社に審査を任せるときの確認点
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ

1. なぜ審査で防ぐのか

賃貸借契約は、借主の保護が厚い契約です。家賃の滞納があっても、1〜2ヶ月程度では契約の解除が認められないことが多く、裁判では「貸主と借主の信頼関係が壊れたか」で判断されます。解除が認められても、明け渡しまでには時間と費用がかかります。

そのため、滞納対策の中心は次の2つになります。

  • 入居前:支払い能力と支払いの意思を審査で確認する
  • 入居後:滞納が起きても家賃が入る仕組み(保証会社など)を契約時に用意しておく

2. 入居審査で確認する5つの項目

項目 何を見るか 確認の方法
① 収入と家賃のバランス 家賃が収入に対して無理のない水準か 源泉徴収票・課税証明書など
② 収入の安定性 勤務先・雇用形態・勤続年数 申込書の記載、在籍確認
③ 本人確認 申込者が本人であるか 運転免許証などの本人確認書類
④ 保証の手当て 保証会社の審査を通るか、連帯保証人を立てられるか 保証会社の審査結果、保証人の確認
⑤ 申込時の対応 書類の不備や連絡への対応 申込から契約までのやり取り

① 収入と家賃のバランスは、家賃が月収の3分の1程度までが目安としてよく使われます。ただし、これは一律の基準ではありません。貯蓄の額や同居人の収入、勤務先の家賃補助によって、支払える家賃は変わります。

② 収入の安定性では、収入額そのものより、その収入が続くかどうかを見ます。勤続年数が短い場合や、転職直後の場合は、前職の勤続年数や内定通知書で補えることがあります。

⑤ 申込時の対応は数字に出ませんが、書類の提出が遅れる、連絡がつきにくいといった兆候は、入居後の連絡のつきにくさにつながることがあります。判断の材料の一つとして記録しておきます。


3. 保証会社と連帯保証人の使い分け

滞納が起きたときに家賃を補う手段は、主に家賃債務保証会社(保証会社)と連帯保証人の2つです。

保証会社 連帯保証人
滞納時の支払い 保証会社が立て替える(代位弁済) 保証人に請求する
費用 借主が保証料を払う かからない
上限 保証契約で決まる 契約書に極度額(上限額)の定めが必要
確認すること 国土交通省の登録業者か、立替の範囲と報告期限 収入と連絡先、極度額の記載

連帯保証人を立てる場合、2020年4月の民法改正以降、個人の保証人には極度額(保証する上限額)を契約書に定める必要があります。 定めのない保証契約は無効になるため、古い契約書の雛形を使い続けていないか確認してください。

保証会社を使う場合は、国土交通省の家賃債務保証業者登録制度に登録しているかを確認します。 登録は任意の制度ですが、登録業者は国土交通省の「登録家賃債務保証業者一覧」で確認できます。あわせて、立て替えてもらえる範囲(家賃のみか、更新料や原状回復費も含むか)と、滞納を保証会社に報告する期限を契約前に確認しておきます。報告が期限に遅れると、立替を受けられないことがあります。


4. 基準を緩めるなら、保証を厚くする

空室が続くエリアや繁忙期を外れた時期には、審査の基準を緩めて入居を決めたい場面があります。このとき、基準を緩めた分だけ、保証の手当てを厚くするのが基本です。

  • 保証会社の利用を必須にする
  • 保証会社に加えて、緊急連絡先を必ず確保する
  • 収入の基準を下げる代わりに、預貯金の額を確認する
  • 家賃の引き落とし(口座振替)を入居の条件にする

滞納のリスクは審査だけで消せません。審査は「誰を入れるか」、保証は「入れた後に家賃をどう確保するか」の手当てで、両方を組み合わせて決めます。


5. 審査でしてはいけないこと

  • 国籍・年齢・障害の有無だけを理由に断る。 差別にあたるおそれがあります。判断は支払い能力と保証の手当てで行います
  • 必要以上の個人情報を集める。 審査に使わない情報(家族の勤務先の詳細など)は求めません
  • 滞納時に鍵を替える、荷物を運び出す。 裁判の手続きを経ずに貸主が自力で明け渡しを進めることは、法律で認められていません。保証会社の契約にあった「一定の条件で明け渡したものとみなす」条項も、2022年12月の最高裁判決で消費者契約法により無効とされました

6. 滞納が起きたときの初動

時期 すること
支払期日の翌日〜数日 入金を確認し、借主に連絡する。単純な入金忘れが多い
保証会社の報告期限まで 保証会社に滞納を報告し、立替を請求する
1ヶ月を超えたら 書面で督促する。連帯保証人がいれば連絡する
数ヶ月続いたら 内容証明郵便で催告し、契約解除と明け渡しを弁護士と検討する

最初の連絡は、早いほど回収しやすくなります。借主の側から見た滞納の扱いは「何ヶ月まで家賃滞納は許される?強制退去になってしまうケースとは?」でも解説しています。


7. 管理会社に審査を任せるときの確認点

管理を委託している場合、入居審査と滞納時の対応は管理会社が行うのが一般的です。委託先を選ぶとき、または今の管理会社を見直すときは、次の点を確認してください。

  • 審査の基準を、オーナーと事前にすり合わせているか
  • 審査の結果を、オーナーが最終承認できるか
  • 利用している保証会社と、その立替の範囲
  • 滞納が起きたとき、何日目に誰が何をするか
  • 契約更新のとき、保証会社や火災保険の更新を確認しているか

レアルリンクの賃貸管理では、入居者の募集・選定から契約更新、退去立会、精算までをオーナー様に代わってワンストップで行っています。 レアルリンクは賃貸住宅管理業者(国土交通大臣(02)第005415号)として登録しています。

管理会社に任せる範囲と自分で行う範囲の比べ方は「自主管理と管理委託のメリット・デメリット比較」、管理会社の選び方は「賃貸管理会社の選び方完全ガイド」にまとめています。


8. よくある質問(FAQ)

Q: 家賃滞納を防ぐには、入居審査で何を見ればいいですか?

収入と家賃のバランス、収入の安定性、本人確認、保証の手当て(保証会社・連帯保証人)、申込時の対応の5つです。家賃は月収の3分の1程度までが目安としてよく使われますが、貯蓄や同居人の収入でも変わります。

Q: 保証会社を使えば、審査は甘くしてもいいですか?

保証会社は滞納した家賃を立て替えますが、滞納そのものを防ぐわけではありません。立替の範囲や報告期限によっては、補えない費用も残ります。基準を緩める場合は、保証会社の利用に加えて口座振替や緊急連絡先の確保などを組み合わせます。

Q: 連帯保証人を付ければ安心ですか?

2020年4月の民法改正以降、個人の連帯保証人には契約書に極度額(上限額)を定める必要があり、定めがなければ保証契約は無効です。保証人の収入と連絡先も確認してください。

Q: 入居審査に落ちる理由で多いものは何ですか?

収入に対して家賃が高い、保証会社の審査を通らない、申込書の内容と書類が合わない、といった理由が多く見られます。借りる側から見た審査の基準は「無職・休職中でも賃貸マンションは借りられる?入居審査基準についてわかりやすく解説」で解説しています。

Q: 滞納されたら、すぐに契約を解除できますか?

1〜2ヶ月程度の滞納では、解除が認められないことが多くあります。裁判では貸主と借主の信頼関係が壊れたかで判断されます。まずは早めに連絡し、保証会社への報告と立替の請求を進めてください。


9. まとめ

  1. 滞納対策の中心は入居前の審査。 契約後は借主の保護が厚く、すぐには解除できない
  2. 審査で見るのは5つ。 収入と家賃のバランス、収入の安定性、本人確認、保証の手当て、申込時の対応
  3. 連帯保証人には極度額の記載が必要。 2020年4月の民法改正以降、定めがない保証契約は無効
  4. 保証会社は登録業者かと、立替の範囲・報告期限を確認する
  5. 基準を緩めるなら保証を厚くする。 審査と保証は組み合わせて決める
  6. 自力で明け渡しを進めない。 鍵の交換や荷物の撤去は認められていない

入居審査や滞納時の対応を含めて管理を任せたい方は、レアルリンクの不動産管理事業をご覧ください。


この記事は2026年10月時点の情報に基づいています。法令改正などにより、記載内容が変更される場合があります。

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